コージィ城倉『チェイサー』3巻

 
 7月30日に発売されたコージィ城倉さんの『チェイサー』3巻をようやく読めました。
 主人公の海徳光市は、漫画家。それも、連載を何本も持つ人気漫画家です。にもかかわらず手塚治虫に強く憧れ、強くライバル視するあまり、勝手に劣等感をおぼえたり、やらなくてもよいマネをしたりと、同業者としてはどこか屈折した行動を見せます。
 そんな、手塚治虫のやることなすことに対する海徳の意識過剰っぷりとそれを動機とした異常な行動が、本作の面白さの軸です。今巻では、屋根裏部屋で○○を始めてしまうところが白眉でした(笑)


『チェイサー』は、海徳という漫画家の視線から手塚史を読みなおすことができるマンガとしても興味深いです。今巻では、『鉄腕アトム』アニメ化による虫プロの経営状態の変化や、日本初のフルカラーTVアニメ『ジャングル大帝』放映開始、『W3』移籍事件などが話題にされています。