スター・ウォーズエピソード4

 全6部構成の『スター・ウォーズ』サーガのうち最初に公開されたエピソード4(監督・脚本・製作総指揮:ジョージ・ルーカス、1977年公開、日本では1978年公開)を久しぶりに観返した。
 エピソード1〜3を観たあとにエピソード4を観ると、それ以前に観たときと比べ、1〜3で描かれた登場人物の背景に思いを馳せたり、さりげないセリフに意味深なものを読みとったりできて、世界観に奥行きが感じられる。

 壮大なスケールの冒険活劇としてワクワクドキドキしながら楽しめたが、ルーク・スカイウォーカーの養父母が虐殺されたシーンや、帝国軍の要塞デス・スターが平和な惑星オルデランをこっぱみじんにしたシーンではちょっと切なくて重たい気分になった。そういう残虐な行為を平然としてしまう帝国軍への憎しみが掻き立てられた。
 そのぶん反乱軍への感情移入が深まったわけで、それが深まれば深まるほど物語の中にのめり込んでいくことになるのだった。

 C-3POR2-D2のドロイドコンビは何度観ても楽しくてチャーミング。C-3POのおしゃべりと腰ぎんちゃくぶり、R2-D2の賢さと意地っ張りぶりが何とも魅力的だ。
 レイア・オーガナ姫の気の強さも心に刻まれた。じゃじゃ馬なお姫様だなあ、と。
 それから、ハン・ソロの存在感をあらためて感じた。悪ぶっているけれど頼もしくて男気のあるこのキャラクターはやっぱり貴重だ。

 ダース・ベーダーのデザインとたたずまいは相変わらずカッコいい。いまドコモのCMで阿部サダヲとシュールな共演をしているが、ほんとうにいつまでたっても色褪せない素晴らしいデザインだ。
 ストーム・トルーパーのデザインも秀逸。初めて観たときのインパクトは忘れられない。

 クライマックスのデス・スター破壊をめぐる飛行メカによる戦闘シーンは、スペース・インベーダーゲームのようなテレビゲームの感覚。べつにこれはこれで悪くないのだけれど、この映画で私が不満を感じるとすればこのクライマックスだ。ハン・ソロが助けてくれる場面は好きなんだけど。


 ともあれ、スペース・オペラ映画の金字塔、どころか、映画史上のエポックメイキングたるこの作品は、やはり今観ても鮮烈で面白かった。