近鉄百貨店四日市店で「〜手塚るみ子 プロデュース〜 手塚治虫ガールズ&ラブリー版画展」開催

 
 近鉄百貨店四日市店にて、今月26日(火)まで「〜手塚るみ子 プロデュース〜 手塚治虫ガールズ&ラブリー版画展」が開催されました。 24日(日)には、手塚るみ子さんのトークショーが催され、それを目当てに出かけてみました。
 
 ・近鉄百貨店に到着。


 
 
 
 
 ・店内に入ると、あちこちに「手塚治虫ガールズ&ラブリー版画展」の看板やポスターが目に入ってテンションが上がります。
 

 
 
 ・5階が会場です。

 
 昨年、名古屋の松坂屋でも同展を観たのですが、そのときにはなかった手塚マンガの原画や手塚アニメのセル画も展示されていました。『どついたれ』『夜明け城』『おれは猿飛だ!』といった作品は、原稿から切り取られたコマでした。『ロビンちゃん』は2ページ分の原稿を見られました。


 
 
 トークショーは、客席スペースがびっしり埋まって大盛況でした。
 るみ子さんがこの版画展のためにセレクトした数々の手塚少女マンガ(あるいはカワイイ作品)の中から、『リボンの騎士』『鳥よせ少女』『虹のとりで』『孔雀貝』『あけぼのさん』『エンゼルの丘』『びいこちゃん』といった作品が紹介されました。
 質疑応答のコーナーでは、「最もお気に入りの手塚キャラクターを男女それぞれ教えてください?」との質問に、るみ子さんが「『リボンの騎士』のヘケート」と返答されたのが印象的でした。男性キャラだと父である手塚先生をそこに投影してしまって、純粋にキャラにときめくことが難しくなるそうです。そのときそのときで好きなキャラも変わってくるとか。あくまでも「現在」好きなキャラクターとして、ヘケートの名を挙げられました。『リボンの騎士』は「少女クラブ」版と「なかよし」版に大別できますが、るみ子さんは「なかよし」版のヘケートが特にお好きだとか。


「なかよし」版ヘケートは魔女(ヘル夫人)の娘で、お転婆な性格をしています。母であるヘル夫人は、サファイアから“女の心”を奪ってヘケートに移し、ヘケートを美しくしとやかな女性に変えて、フランツ王子と結婚させようと企てます。ヘケートがフランツ王子と結婚すれば、フランツ王子の国(ゴールドランド)を手中におさめることもできるという算段です。
 ヘル夫人のその熱意たるやすさまじいものがあって、ヘケートがどんなに拒もうともヘル夫人はあきらめません。自分のお転婆な性格を変えることも、親が押しつけるフランツ王子との結婚も、かたくなに拒み続けたヘケート。その姿を見続けてきただけに、彼女が死の間際になって王子に見せた乙女な一面は胸にグッときました。ヘケートが王子に抱き始めた想いを知れば、王子との結婚をひたすら拒んだ彼女の内面にどれほど深い葛藤があったことだろうか、と察せられて、胸が詰まります。
「少女クラブ」版のヘケートは、彼女の乱暴な性格に困った父(魔王メフィスト)によって“女の心”を移植されてしまいます。「なんだか胸の中にあったかいあったかいものがしみこんだみたいだわ…」とヘケートが戸惑う場面がまことに印象的です。“女の心”は、悪魔であるヘケートに“良心”のような働きをします。悪魔が、あたたかい心、人を愛する心、傷つく心を持ってしまうなんて、悪魔本来のありようからしたら矛盾した状況です。その矛盾状況が彼女に悲劇をもたらしてしまうのでした。


 
 ・来場者には『リボンの騎士』のポストカードが配られました。
 
 
 
 
 ・グッズ売場で陶器製のヒョウタンツギ貯金箱を購入!