「地上最大のロボット」

 本日(3/20)の「中日新聞」一面のコラム「中日春秋」が、『鉄腕アトム』の「地上最大のロボット」を取り上げています。
 
 お茶の水博士のセリフ「ロボットがちからくらべしてなんになる?」「ほんとに世界一のロボットとは正しくそしてかしこく世界のためにつくすものをいうべきなのじゃ」を紹介し、現在の国際情勢と照らし合わせて手塚先生のメッセージを読み取っています。
 「地上最大のロボット」のプルートウは、決闘するためだけに造られた強力なロボットです。次々と他のロボットと戦って破壊していきます。そんなプルートウが生まれて初めて他者を救うため協力するシーンはグッときます。と同時に、戦うためだけに生まれさせられた存在が帯びる哀感も伝わってきます。
 戦う以外の心が芽生えても、戦いつづけなければならない。相手を破壊しつづけなければならない。もし負けたら大爆発するよう造られているから、勝ちつづけなければならない。そんな宿命に触れるにつれ、当初は破壊魔のように描かれてきたプルートウがしだいに憎めなくなります。