つのがい×手塚るみ子ミュージアムトーク&サイン会


 3月11日(土)のことです。1月に発売された『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』の作者つのがいさんと、2月に『定本 オサムシに伝えて』を上梓した手塚るみ子さんのミュージアムトーク&サイン会が、宝塚の手塚治虫記念館で開催されました。
 ミュージアムトークは事前予約制ですでに参加権を確保していたのですが、サイン会は当日の先着順だったので手塚治虫記念館がオープンする午前9時半より前に現地に着けるよう、自宅を早朝に出ました。
 
 
 
 
 
 ・久しぶりに手塚治虫記念館へやってきました!


 
 
 ・サイン会の整理券も無事ゲットして一安心です。


 午後1時からミュージアムトークが始まりました。つのがいさんが手塚治虫タッチを身につけるまでの経緯や、イタコマンガ家イベントに出演したり手塚プロ公式作家になったりするまでのエピソードが語られました。
 つのがいさんが文房具店でたまたま見かけた付けペンを手に取って絵を描き始めたのは、2015年6月末のこと。まだそんなに前のことではありません。それまで読者としても描き手としてもマンガとはほとんど縁のなかったつのがいさんですが、皆が「手塚先生そっくり!」と驚くような画風を、わずかな期間でわがものにしていきました。2015年の後半にはネット上で話題になり、同じ年の11月にはるみ子さんから連絡をもらって会っているのですから、そのスピードは驚異的です。
 絵を描くようになってつのがいさんの感性はますます磨かれ、マンガの絵を見るとそれが漢字の画数のごとく見え、どの順番で線が引かれたのか感じとれるのだそうです。あらためて天才的だ!と思いました。
 つのがいさんのマンガに対する分析力と、それを言語化する力にも感服しました。絵を見れば一目瞭然の、非言語的なセンスや技術ばかりか、言語的にマンガを分析する能力までが、つのがいさんのトークから仄見えてきたのです。しかも(お顔はマスクで半分くらい隠されてましたが)多くの人が「美人だ!」と感じるお顔立ちで、彼女に大きなスター性を感じました。


 ライブドローイングでは、ブラック・ジャックサファイア、『鉄の旋律』のエディをスピーディに描かれていきました。その手遣い、テンポのよさ、出来上がったキャラクターのクオリティを満喫。イタコ漫画家のイタコたるさまを実感できました。
 今後描けるようになりたいキャラクターは『マアチャンの日記帳』のマアチャンだとか。マアチャンをマスターするのは難しく、まだ20パーセントくらいの出来だそうです。『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』の奥付ページには『マアチャンの日記帳』のパロディが載っていますが、そこではマアチャン自体は描かれていません。


 その後のサイン会では、つのがいさんがブラック・ジャックを描かれるところを眼前で見られて興奮。いろいろと伝えたいことが頭に浮かんだのですが、結局、『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』でドクター・キリコが弄り倒されるところが好きなんです!と感想を述べ、あとは黙ってつのがいさんが描かれる姿を拝見しました。握手もしてもらえてうれしい!
 
 ・いただいたサイン!


 
 ・こんなカードももらえました♪


 るみ子さんは、36歳の手塚先生&生後6ヶ月のるみ子さんのお写真の下にサインを入れてくださいました。あとで個人的に桐木憲一さんに頼んで、るみ子さんのサインのかたわらにちっちゃくルミちゃんを描いていただきました。『定本 オサムシに伝えて』の表紙カバーイラストのルミちゃんは桐木さんが手がけているのです。カワイイ〜!
 
 

 イベント終了後、手塚治虫記念館内で知人たちとのんびりすごしていたら、アニメ監督の富野由悠季さんと高橋良輔さんが館内を見学されているのを目撃。翌日に宝塚でお二人のトークショーがあるので(私は残念ながら参加できませんでしたが)、前日入りして記念館を訪問されたようです。オーラがすごかった!


 手塚治虫記念館の閉館時間となり、るみ子さん、桐木さん、イラストレーターのヨシオカサトシさんらと居酒屋へ行き、飲んだりしゃべったりして盛り上がりました。つのがい論的な話題から始まって、あれやこれやと非常に刺激的なひとときをすごせました♪