「手塚治虫愛用の机 25年ぶりに開く」


手塚治虫」で最近旬の話題といえばこれです!
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140402/k10013451791000.html


 手塚先生ご逝去後鍵がかかったままだった机とロッカーが25年ぶりに開けられ、中から手塚先生の直筆画稿をはじめ貴重な品々が出てきた、というニュースです。
 手塚先生の奥様が鍵をかけたのだがその鍵をなくしてしまったため、25年間も開かずの机となっていたのですが、このたびご長女のるみ子さんが合鍵をつくって開けたというのです。
 遺作となった『グリンゴ』『ネオ・ファウスト』のデッサン画・下書き、アニメ『ふしぎなメルモ』の原画・イメージ画、食べかけのチョコレート、薬などが見つかったとか。


 見つかった画稿が貴重なのはもちろんですが、食べかけのチョコレートが残っていたというのもじつに興味深いです。手塚先生はチョコを食べないとマンガを描けない…というほどお好きだったそうです。これは通常なら保管されないものなので、それが残っていたのは貴重な現物記録になりそうです。ぜひぜひ永久的に保存できるよう加工して、いつか展覧会などで実物を見せていただきたいです。
 ほかに、るみ子さんが子どものころ手塚先生に送った絵付き手紙もしっかり保管してあったということで、これを発見したるみ子さんの感銘はさぞ深かったことと思います。



 手塚先生の作品や原稿が“発見”されることは、マスメディアが取り上げるほどのニュースバリューがあります。
 ここ数年で、そうした手塚関連の“発見”ニュースといって思い当たるものを挙げてみましょう。


●2006年「GHQ収集の雑誌から幻の初期作品発掘」
 GHQが日本占領下で検閲用に収集した本を保管した「プランゲ文庫」から、幻の初期作品が見つかり、5件の新発掘がありました。

 【新発掘作品】
 ・『カキノユクエ』(「こどもの丘」1947年11・12月号)
 ・『にえた金魚』(「少年・少女漫画と読物」1948年新年号)
 ・『やりきれません』(「新世界」1948年3月号)
 ・『おまじない』(「少年・少女漫画と読物」1948年4月号)
 ・『タメシ斬り』(「少年・少女漫画と読物」1948年5月号)

 そのほか、いくつかの新事実の確認もありました。



●2012年「10代後半に描かれた未発表作品発見」
 終戦直後に描かれた、全19ページの未発表作品の直筆画稿が発見されました。闇市や食糧不足など当時の世相を題材にした作品です。手塚プロによると、1945年か46年の作だとか。
 手塚先生からこの画稿を譲り受けた中学時代の同級生が60年以上保管しており、それが東京の古書店で出品されたのを手塚プロが入手しました。



●2013年「『メトロポリス』『有尾人』など初期作品の未発表原稿発見」
 松本零士先生が、入手し保管していた手塚先生の未発表原稿を手塚プロに寄贈しました。4作品計9枚。

 ・『メトロポリス』:『長編冒険漫画 超人ミッチー』と題された原稿もあり、改題前のタイトルと思われる。
 ・『有尾人』
 ・『一千年后の世界』
 ・『浮標島』:1993年手塚先生の自宅で見つかった構想ノートにタイトルとあらすじだけが記載されていた未発表作品。


 このほかに、「2009年実家の机から何かが発見された」というニュースもあったようですが、私の手元にそれ関連の資料がなく、具体的にどんな発見だったのかわかりません。




 ※手塚情報
・4月7日(アトムの誕生日)に丸善丸の内本店に「手塚治虫書店」オープン。現在流通している手塚関連書籍を全て揃えることを目指すそうです。
 http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=4686


・同じく4月7日、手塚治虫の資料のコレクションがオンライン展示サービス「Google 歴史アーカイブ」にて公開。動画を含む約170点の資料や、宝塚市手塚治虫記念館のミュージアムビューを見られます。
 http://natalie.mu/comic/news/113936